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阿寒湖は、噴火で三つに分かれた湖の一つ。

阿寒湖、屈斜路湖、摩周湖。雌阿寒岳と雄阿寒岳。火山がつくった三つのくぼ地を、環境省と気象庁の資料で読みます。

01三つのくぼ地

火山がへこんでできた、三つの大きなくぼ地。

阿寒湖、屈斜路湖、摩周湖。釧路地方の北にある三つの湖は、どれも同じでき方をしています。大きな噴火で火山の真ん中が落ちこみ、そこに水がたまりました。こうしてできたくぼ地を、カルデラと呼びます。

三つの湖は、阿寒摩周国立公園の中にあります。環境省は、火山と湖の組が、せまい範囲にいくつも並んでいる地形は、全国でも貴重だと書いています。北海道で最も古い国立公園の一つです。

くぼ地(カルデラ)できた時期中の湖湖の特徴
阿寒数十万年前から 15 万年前阿寒湖球の形のマリモが群れて育つ、世界でただ一つの場所。
屈斜路約 13 万年前から 10 万年前屈斜路湖日本で最も大きいカルデラの湖。広さ約 80 平方キロメートル。
摩周約 7,000 年前摩周湖世界でも指折りの透明さ。入る川も、出る川も無い。

できた時期には、大きな開きがあります。阿寒と屈斜路は、10 万年よりもっと前。摩周は約 7,000 年前で、三つの中ではずっと若いくぼ地です。

02阿寒湖

阿寒湖は、むかし、もっと大きな一つの湖だった。

環境省のページによると、阿寒のくぼ地には、はじめ「古阿寒湖」という大きな湖がありました。約 1 万年前、雄阿寒岳が噴火して、この湖を分けてしまいます。こうして、いまの阿寒湖と、パンケトー、ペンケトーという二つの湖ができました。

阿寒湖は、球の形をしたマリモが群れて育つ、世界でただ一つの場所です。マリモは国の特別天然記念物になっています。毎年 10 月のはじめには、マリモを守ることを目的にした行事が開かれ、湖に丸木舟を浮かべて、アイヌの人たちの儀式が行われます。

ヒメマスという魚も、阿寒湖が生まれ故郷です。もとは海と川を行き来していたベニザケの仲間が、火山の噴火で湖に閉じこめられ、真水の魚になったといわれています。

魚が育つのは、火山のおかげでもあります。湖の底からわく温泉に、リンや窒素などの養分がたくさん含まれていて、それが小さな生きものを増やし、魚のえさになります。

阿寒湖のまわりの森を守ってきた家のことは、「阿寒湖の森を、三代で守った家」に書きました。

03屈斜路湖

屈斜路湖は、冬も一部が凍らない。

屈斜路湖は、広さが約 80 平方キロメートル。カルデラにできた湖としては、日本で最も大きい湖です。まわりには、川湯、仁伏、砂湯、池の湯、和琴と、温泉が並んでいます。

冬には湖が凍り、割れた氷がせり上がる「御神渡り(おみわたり)」が見られます。けれども、湖の底から温泉がわいているので、一部は凍りません。秋の終わりにシベリアから渡ってくるオオハクチョウは、その凍らない水辺で冬を越します。

近くの硫黄山(アトサヌプリ)は、大小合わせて 1,500 を超える穴から、いつも白い煙を上げています。むかしは硫黄を掘っていました。アトサヌプリは、アイヌ語で「裸の山」という意味です。

04摩周湖

摩周湖には、入る川も、出る川も無い。

摩周湖は、約 7,000 年前の大きな噴火でできたくぼ地にあります。世界でも指折りの透明な湖として知られています。入ってくる川も、出ていく川もありません。アイヌ語では「カムイトー(神の湖)」と呼ばれます。

霧が多いことでも有名です。環境省のページは、その霧の出どころを説明しています。太平洋から流れこんだ暖かい空気が霧を生み、それが内陸へ押し寄せて、くぼ地にたまる。夏に見られる摩周湖や屈斜路湖の雲の海は、こうしてできます。

つまり、摩周湖の霧は、釧路の海の霧とつながっています。釧路の霧がどの季節に多いかは、気象の数字の読みものに書きました。

05山

雌阿寒岳は、いまも生きている火山。

山高さひとこと
雌阿寒岳1,499 m8 つの小さな火山の集まり。いまも数年おきに小さな噴火がある。
雄阿寒岳1,370 m約 1 万年前の噴火で、むかしの大きな湖を三つに分けた。
摩周岳(カムイヌプリ)857 m摩周湖の南東の壁にある。大きな爆発の跡が残る。
硫黄山(アトサヌプリ)508 m1,500 を超える穴から、いつも白い煙を上げている。

雌阿寒岳は、一つの山ではなく、8 つの小さな火山の集まりです。高さは 1,499 メートル。気象庁が、ふだんから機械を置いて見張っている火山の一つです。

気象庁のページによると、この 1,000 年ほどの噴火は、はじめの一回を除いて、地下の水が熱せられて爆発する型だったと考えられています。約 400 年前には、新しい火口が開き、ふもとに火山灰が積もって、泥の流れも起きました。1955 年の噴火までの約 100 年間に、小さな爆発が少なくとも 10 回。1955 年からいままでも、山頂の火口で、小さな爆発がときどき起きています。

山に登る方は、気象庁が出している火山の情報を、出かける前に確かめてください。この土地の地震のことは、「この土地の、地震と津波の記録」に書きました。

06心配

よそから来た生きもの。

環境省のページは、心配ごとも一つ挙げています。ウチダザリガニや、人が放した熱帯の魚など、よそから来た生きものが、もとからいる生きものに影響を与えるおそれがある、とのことです。

ここまでで言えること
  • 阿寒湖、屈斜路湖、摩周湖は、どれも火山がへこんでできたくぼ地の湖。
  • 阿寒湖は、約 1 万年前の雄阿寒岳の噴火で、大きな湖が分かれてできた。
  • 屈斜路湖は約 80 平方キロメートル。カルデラの湖として日本で最も大きい。
  • 摩周湖は約 7,000 年前にできた。入る川も出る川も無い。
  • 雌阿寒岳(1,499 m)は、いまも数年おきに小さな噴火がある。

出どころ:環境省「阿寒摩周国立公園の特徴」「阿寒摩周国立公園のストーリー」、気象庁「雌阿寒岳」(常時観測火山)。摩周湖の透明度の数字や、湖の深さは、これらのページに載っていないので書いていません。このページの最終更新:2026 年 10 月 14 日。