01記録
180 年あまりのあいだに、被害の記録が 8 回。
地震調査研究推進本部は、北海道東部に被害を及ぼす地震を三つに分けています。太平洋プレートと陸のプレートの境界で起きる地震、沈み込んだプレートの内部で起きる地震、陸の浅い場所で起きる地震です。
同本部の「北海道に被害を及ぼした主な地震」の表から、釧路・根室の名前が被害の欄に出てくるものと、十勝沖・釧路沖の地震を抜き出すと、1843 年から 2004 年までに 8 回あります。
| 年月日 | 地震 | 規模(M) | 主な被害(北海道。表の言葉のまま) |
|---|---|---|---|
| 1843 年 4 月 25 日 | 釧路・根室 | 7.5 | 釧路で4〜5mの津波。釧路、根室で溺死46人、家屋破損76棟。 |
| 1894 年 3 月 22 日 | 根室南西沖 | 7.9 | 根室、釧路、厚岸に被害。死者1人、負傷者6人、住家全壊12棟。 |
| 1952 年 3 月 4 日 | 十勝沖地震 | 8.2 | 太平洋沿岸一帯に津波により被害。死者・行方不明者33人、住家全壊815棟、同流失91棟。 |
| 1973 年 6 月 17 日 | 根室半島沖地震 | 7.4 | 津波と強い揺れにより釧路・根室支庁に被害。負傷者26人、住家全壊2棟。 |
| 1993 年 1 月 15 日 | 釧路沖地震 | 7.5 | 釧路支庁に被害。死者2人、負傷者966人、住家全壊53棟。 |
| 1994 年 10 月 4 日 | 北海道東方沖地震 | 8.2 | 釧路・根室支庁に被害。負傷者436人、住家全壊61棟。 |
| 2003 年 9 月 26 日 | 十勝沖地震 | 8.0 | 死者1人、行方不明1人、負傷者849人、家屋全壊116棟。 |
| 2004 年 11 月 29 日 | 釧路沖 | 7.1 | 負傷者52人。 |
このうち、1993 年の釧路沖地震と 1994 年の北海道東方沖地震は、太平洋プレートそのものが壊れる、プレートの内部の地震でした。1952 年、1973 年、2003 年、2004 年の地震は、太平洋プレートが陸のプレートの下へ沈み込むことで起きる、プレートの境界の地震でした。
陸の浅い場所の地震は、阿寒・弟子屈のあたりに集まっています。1938 年には屈斜路湖の近くで M 6.1 の地震があり、震源の近くで大きな被害が出ました。
02津波
遠くの地震の津波も来る。400 年前には、内陸 1〜4 キロまで。
津波は、近くの地震だけで起きるものではありません。1933 年の三陸地震では、根室や釧路に高さ 1 メートル前後の津波が来ました。1960 年には、チリの地震による津波で被害が出ています。2011 年の東北地方太平洋沖地震では、根室や釧路をはじめ、海岸沿いに広く 2 メートル以上の津波が押し寄せました。
記録に残るより前の津波も、地面の中に跡が残っています。北海道東部では、津波が運んだ砂の層が、海岸から離れた湿原の土の中などで見つかっています。その調べから、17 世紀に、1952 年の十勝沖地震をはるかに超える規模の津波が起き、いまの海岸線から 1〜4 キロほど内陸まで水が入ったと推定されています。起きた年は定まっておらず、1611 年から 1637 年のあいだとされています。
同じような津波は、過去 6500 年のあいだに、多くて 18 回あったと推定されています。間隔は約 100 年から 800 年とばらつきがあり、厚岸郡の調べを使うと、平均は約 340 年から 380 年です。
03これから
国の評価は、こう書いています。
地震調査研究推進本部は、これから 30 年のあいだに地震が起きる確率を公表しています。釧路地方に関わるものを抜き出すと、下の表のとおりです(2026 年 1 月 1 日の時点の評価)。
| 地震 | 規模(M) | 30 年以内に起きる確率 |
|---|---|---|
| 十勝沖の地震 | 8.0〜8.6 程度 | 20% 程度 |
| 根室沖の地震 | 7.8〜8.5 程度 | 90% 程度 |
| ひとまわり小さい地震(十勝沖・根室沖) | 7.0〜7.5 程度 | 80% 程度 |
| 沈み込んだプレートの中の、やや浅い地震 | 8.4 前後 | 30% 程度 |
| 沈み込んだプレートの中の、やや深い地震 | 7.8 程度 | 50% 程度 |
| 超巨大地震(17 世紀型) | 8.8 程度以上 | 7%〜40% |
確率は、過去の地震の間隔から計算した見積もりです。「いつ起きるか」を言い当てるものではなく、同本部も、数字の読み方に留意点があると断っています。
土地の性質についても、一つ書かれています。釧路湿原や根室平野はやや軟らかい地盤なので、地震のときに、ほかの地域より揺れが大きくなる可能性がある、とのことです。釧路地方と根室地方のすべての市と町は、国の「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域」に指定されています。
- 1843 年から 2004 年までに、釧路地方に関わる被害の記録が 8 回ある。規模は M 7.1 から 8.2。
- 津波は、三陸やチリなど、遠くの地震でも来ている。
- 17 世紀には、いまの海岸線から 1〜4 キロ内陸まで入る津波があったと推定されている。
- 国は、根室沖の地震(M 7.8〜8.5 程度)が 30 年以内に起きる確率を 90% 程度と評価している。
出どころ:地震調査研究推進本部「北海道東部(網走、釧路、根室地方)の地震活動の特徴」「超巨大地震(17 世紀型)」。被害の数字と確率は、同本部のページに書かれているままです。お住まいの場所の津波の想定や避難の場所は、市や町が出している防災の地図で確かめてください。このページの最終更新:2026 年 10 月 14 日。