01正直なところ
作るだけなら、いまは自分でできます。
先に、言いにくいことを書きます。ホームページを作ること自体は、もう難しい仕事ではありません。ひな型を選ぶだけで形になる道具があり、文章も絵も AI が手伝ってくれます。私自身も AI を使っています。
ですから「作れます」は、頼む理由になりません。作れる人も、作れる道具も、いくらでもあります。
それでも人に頼む意味が残るとすれば、作る前と、作った後です。そもそも作るべきか。作るなら、どこに力を入れるか。作ったあと、どこを強くしていくか。ここは、道具は決めてくれません。
02見るところ
先に、お客さまの流れを見ます。
私は、商売を川にたとえて見ています。難しい話ではありません。
| たとえ | 商売でいうと | 伺うこと |
|---|---|---|
| 川 | お客さまが流れてくる道 | いまのお客さまは、どこから来ていますか。紹介、通りがかり、地図、電話帳、取引先、SNS。一番太いのはどれですか。 |
| 水車 | 来た人を、売上に変える仕組み | 一人のお客さまから、いくらいただいていますか。席や手は、あとどのくらい空いていますか。一番儲かる品物はどれですか。 |
| 池 | たまって残るもの | もう一度来てくれる人は、どのくらいいますか。名簿、評判、口コミ、長い付き合いの取引先はありますか。 |
| 水源 | 町の人口や、同じ商売の数 | これは私が調べます。町の人の数、世帯の数、同じ業種の店の数を、国の統計で数えます。 |
ホームページは、このうち「川」の一本に手を入れる道具にすぎません。ですから、ほかの三つを見ずに作ると、外れます。
水車がもう回りきっている店に、川を太くしても、あふれるだけです。池に穴があいていて、来た人が二度と来ない店なら、先にふさぐのは穴のほうです。川がホームページではなく、紹介や地図を流れているなら、手を入れるのはそちらです。
逆に、川が細いだけで、水車も池もしっかりしている商売があります。良い仕事をしているのに、知られていない。遠くの人が探しているのに、見つけられない。こういう商売は、ホームページが効きます。しかも、長く効きます。
私の仕事は、お話を伺い、数字を調べて、あなたの商売がどれにあたるかを見分けることです。ホームページを作るのは、そのあとです。
03三つに分かれます
作らない。小さく作る。毎年、強くしていく。
見分けた結果は、大きく三つに分かれます。
| 答え | どんな商売か | おすすめすること |
|---|---|---|
| 作らない | お客さまが足りている。売上が小さく、取り戻せない。近所の方だけが相手。 | 地図の登録と、SNS を一つ。お金のかからない範囲で整えます。くわしくは「要らないのは、どんなときか」に書きました。 |
| 小さく作る | 地図や紹介から来た人に、値段や品書きを落ち着いて見せたい。窓口を一つにしたい。 | 数ページの小さなホームページ。作ったら、ほぼそのままで使えます。 |
| 強くしていく | 遠くの人に探される。一件の金額が大きい。比べて選ばれる。人を募集したい。ほかに無い品物や技がある。 | はじめに要る所から作り、効いたところを確かめながら、毎年手を入れていきます。 |
釧路地方にある 125 の業種が、それぞれどのあたりに入るかは、「どの商売なら、ホームページを作る意味があるか」に、国の調査の数字で並べました。
三つめの商売では、ホームページは「作って終わり」の買い物ではなくなります。たとえば、はじめに 30 万円で作る。一年たって、どのページから問い合わせが来たか、どの言葉で探されたかを見る。効いているところに、次の年のお金を足す。利益が出た年に、まとめて手を入れる。
こうして何年もかけて厚くしたホームページは、あとから来た同業の店が、すぐには追いつけないものになります。池に水がたまるのと同じで、時間が味方になります。そういう商売の方とは、長くお付き合いしたいと考えています。
一方で、そこまでやらなくていい商売に、同じことはおすすめしません。毎年お金をかける価値があるかどうかは、最初の見分けで決まります。そこを間違えないことが、私の仕事の中心です。
04手がけてきたもの
25 年、検索とお客さまの流れを見てきました。
ここまで言い切る以上、私が何をしてきた者かを書いておきます。相手の方があることなので、名前は出しません。
- 大型クルーザーを輸入して販売する会社のホームページ。
- 神奈川県の動物病院のホームページ。
- 横浜市の貸しギャラリーの、検索で見つけてもらうための手入れ。
- 東京の貸し倉庫のホームページ。貸し倉庫が広まりはじめた時期です。
- 東京・新橋の居酒屋のホームページ。
- 芸能に関わる会社で、携帯電話で検索ができるようになった最初のころ、公式のサイトとその案内のサイトを、検索の 1 番目と 2 番目に並べる仕事。それまでは、名前で探しても公式のサイトが先頭に出ていませんでした。
もう一つ、20 代の半ば頃から、自分のサイトに広告を載せて収入を得る仕事(アフィリエイト)を続けてきました。日本でこの仕組みが始まって間もないころからです。お客さまのお金ではなく、自分のお金と時間で、「どう書けば探され、どう見せれば買われるか」を試し続けてきたことになります。
高い品物を売る会社も、近所の居酒屋も、手がけました。そのなかで分かったのは、ホームページが大きく効く商売と、ほとんど効かない商売が、はっきり分かれるということです。効かない商売に作っても、作った側に代金が入るだけで、頼んだ方には何も残りません。
検索の仕組みは、当時といまとでは違います。むかしの手がそのまま通じるとは言いません。変わらないのは、「お客さまがどこから来て、何を見て決めるか」を先に調べる、という順番です。
いまは釧路地方に移り住み、仕事の数をしぼっています。年に数件だけ、時間をかけてお受けしています。
05まとめ
頼む理由は、作ることの外にあります。
- 作る前に、要るかどうかを数字で見ます。要らないときは、そうお伝えして終わりにします。
- お客さまの流れを伺ってから、形を決めます。ひな型に商売を合わせるのではなく、商売に形を合わせます。
- 町の数字を、国の統計で調べます。人口、世帯、同じ業種の店の数。釧路地方の数字は、このサイトにも載せています。
- 育てる価値のある商売は、何年もかけて一緒に強くします。そうでない商売には、すすめません。
- 作ったものは、あなたのものです。
作るだけなら、道具で足ります。どこに作るか、作らないかを決めるところに、人の仕事が残っています。