01色
釧路のそばは、緑色をしている。
釧路でそば屋に入ると、緑色のそばが出てくることがあります。よその土地から来た人は、たいてい驚きます。茶そばでも、よもぎでもありません。
釧路の観光の案内は、こう説明しています。釧路の多くの店で見られるそばの特徴は、麺が緑色であること。これは、白い更科(さらしな)のそば粉に、クロレラを混ぜているためだ、と。クロレラは、水の中で育つ、緑色の小さな藻です。
北海道の釧路総合振興局のページも、釧路地方の「ご当地の味」の一つにそばを挙げて、クロレラが入った緑の麺が特徴の店がある、と紹介しています。同じページによると、緑のそばだけでなく、江戸の流れをくむそばや、新しく工夫したそばなど、いろいろな店があります。
この緑のそばは、釧路の一軒の老舗から始まり、そこからのれんを分けた店へ広がった、と観光の案内は書いています。ここでは店の名前は挙げませんが、町のあちこちで同じ屋号を見かけるのは、そのためです。
02食べ方
そばを抜いた「かしわ抜き」。
釧路のそば屋には、ほかの土地であまり見かけない品書きがあります。「かしわ抜き」です。単に「抜き」とも呼ばれます。
かしわは、鶏肉のこと。かしわそばは、鶏肉の入った温かいそばです。「かしわ抜き」は、そこからそばを抜いたもの。つまり、鶏肉の入った温かいつゆだけが、器で出てきます。
観光の案内によると、温かいかしわそばを頼むのではなく、「かしわ抜き」と冷たいざるそばを頼んで、両方を味わうのが「通」だと言われているそうです。
03数
そば屋は、人口あたりで全国の 1.7 倍。
振興局のページは、釧路地方には「他都市に類を見ないほどのそば屋があります」と書いています。本当かどうか、国の調査で数えてみます。
| 地域 | そば・うどんの店 | 人口 10 万人あたり |
|---|---|---|
| 釧路市 | 52 | 34.3 |
| 釧路町 | 7 | 38.8 |
| 弟子屈町 | 5 | 79.0 |
| 白糠町 | 4 | 58.5 |
| 厚岸町 | 3 | 37.6 |
| 標茶町 | 2 | 29.9 |
| 浜中町 | 1 | 19.3 |
| 釧路地方の合計 | 74 | 36.1 |
| 全国 | 24,982 | 20.2 |
店の数は、令和 3 年経済センサスの「そば・うどん店」の事業所の数(うどんの店も含む)。人口は 2026 年 1 月 1 日。
釧路市には、そば・うどんの店が 52 あります。人口 10 万人あたりにすると 34.3。全国は 20.2 なので、釧路市は全国の 1.7 倍です。釧路地方の 8 つの市町村を合わせると 74 店で、やはり全国を大きく上回ります。
「類を見ないほど」かどうかは、ほかの町と一つずつ比べないと言えません。けれども、そば屋が多い町だということは、数字の上でも確かです。
そば・うどん店の商売の大きさは、「どの商売なら、ホームページを作る意味があるか」の表にも出てきます。個人で営む店の全国平均は、一年の売上が 1,054 万円です。
- 釧路の多くのそば屋では、緑色のそばが出る。更科のそば粉にクロレラを混ぜている。
- 鶏肉の入ったつゆだけを出す「かしわ抜き」という品書きがある。
- 釧路市のそば・うどんの店は 52。人口あたりで全国の 1.7 倍。
出どころ:北海道 釧路総合振興局のページ「ご当地グルメ」、釧路観光コンベンション協会の案内「釧路の食」、総務省・経済産業省「令和 3 年経済センサス‐活動調査」。緑のそばがいつ始まったかは、確かめられる資料が手元に無いので書いていません。このページの最終更新:2026 年 10 月 14 日。